フィールド・プログラマブル・ゲートアレイとは
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FPGAとは、field programmable gate arrayの略で、プログラム可変集積回路(IC)のことだ。
このフィールド・プログラマブル(FP)というのは、「現場でプログラムできる」と言う意味。
ゲート・アレイ(GA)とは、基本論理ゲート(ロジック・エレメント)を、格子状に、たくさん配置したもの(アレイ)だ。
ゲートアレイは集積回路の半製品で、後から配線を付け加えることによって完成するのだが、FPGAは配線の付け替えを何度もやり直せるタイプのゲートアレイになる。
FPGAは1985年にザイリンクス社から発売されたものだが、価格も高く、性能も今ひとつだったため、最近まであまり話題にならなかった。
ところが5G通信では、このFPGAが大きな役割を果たすと考えられ、にわかに注目されている。
ICの種類
現代の通信機器には、カスタムICと呼ばれるタイプの電子デバイスが搭載されている。
カスタムICとは、特定の用途のために開発された集積回路で、論理ゲートや配線、内蔵メモリーなどの部品を、一枚の半導体ウエハーの上に配置したモノだ。
カスタムICは、特定目的のために最適化されたデバイスで、省電力で高速処理が可能になっている。
ただしこれは大量生産する部品で失敗が許されないため、開発に非常に時間がかかる。
そこでゲートアレイと呼ばれる、論理ゲートを格子状に配置した汎用半導体に、配線を付け加える方式のASIC(エーシック:特定用途向け集積回路)というセミカスタムICが開発された。
ASICタイプのICは、ゲートアレイをあらかじめ作っておいて、それに配線を加えるだけで良い。
そのため、製作にかかる時間も比較的短時間で済み、しかも少量生産も可能で、1個から作ることも出来る。
性能も純カスタムICにはやや劣るが問題なく使えるため、非常に広範囲に使われている。
ただカスタムICもASICも、後から回路を書き換えることが出来ないので、アップデートには機器の交換が必要になる。
となると日進月歩の技術革新が起こりそうな5G施設用には、ちょっと組み込みにくい。
ほんの2~3年で、陳腐化してしまいかねないからだ。
そこで後からパソコンなどで配線を書き換えられるFPGAに、注目が集まっていると言うことらしい。
FPGA 関連銘柄
日本ラッド 4736
独立系システムインテグレータで、量子コンピュータ関連銘柄でもある。
電気通信大学とFPGAを活用した高速処理装置の実用化で連携。
PALTEK パルテック 7587
通信機器向けFPGAも取り扱う半導体商社。
半導体の自社製品開発なども手掛ける。
日本システムウエア 9739
独立系システムインテグレータ。
検査用ドローンに組み込む電子デバイスに画像処理FPGAを開発。
アルチザネットワークス 6778
高速通信向けを主力とする通信計測器メーカー。
5G基地局施設のテスト計測機器などを販売。
アルファシステムズ 4719
既存の電話網と、インターネット網と、双方のメリットを融合させた次世代ネットワーク分野の売り上げが収益に貢献。