デジタルトランスフォーメーション(DX)とは
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デジタル・トランスフォーメーションとは、クラウドコンピューティングやビッグデータと、分析ツールなどを使うことによって、新しい製品やサービスを提供し、生産性や競争力を高めるための「変身」のことだ。
20世紀後半から、コンピューターが進歩して、社会に入って来た。
その第一段階は、メインフレームコンピューターと、端末システムの組み合わせによるシステムだった。
メインフレームと、FORTRAN、COBOL
メインフレームコンピュータというのは、特別な建物に設置された大型汎用コンピューターで、様々な計算をすることが出来た。
コンピューターは、かつて「電子計算機」と呼ばれていたが、宇宙ロケットの軌道計算や、GDPの計算など、大量のデータを処理するために使われた。
この頃は、科学計算はFORTRAN(フォートラン)、事務処理計算はCOBOL(コボル)というプログラミング言語でプログラムを組み、それをメインフレームに接続した端末から実行させていた。
一台のメインフレームコンピューターを大勢で使うため、たくさんの端末で、TSS(タイムシェアリングシステム)という方法で利用した。
サーバークライアントシステムと、インターネット
メインフレームコンピュータは、端末と直接接続して使うコンピューターだった。
端末は、外見は今のデスクトップパソコンと変わりが無いが、ディスプレイ表示とキーボードとディスクシステムくらいしか機能が無く、切り離すことは出来なかった。
ところが半導体技術が進歩して、端末自体に計算能力を持たせることが可能になった。
図や絵を描いたり、グラフを作ったり、文書を作ったりという作業がコンピュータ端末だけで可能になった。
これによって、簡単な作業はクライアント端末で行い、面倒な計算や、専門的な計算は、サーバーコンピュータに任せるという「棲み分け」が可能になった。
様々なファイルを保存する「ファイルサーバー」、メールを扱う「メールサーバー」、Webサイトを保存する「Webサーバー」と言った様々なサーバーに対し、クライアントコンピューター(パーソナルコンピュータ)からリクエストを行い、データを取得するという風に作業が分散出来るようになった。
さらに通信もインターネット技術の発展で、同時に世界各地の様々なサーバーと通信して、データを受け取るといったことも容易になった。
現代のパソコンやスマホは、このクライアント・サーバーシステムという方法で、利用されているわけだ。
クラウドとビッグデータとモビリティが拓く新しい世界
クラウドサーバシステムは、インターネットという通信技術が確立し、インフラが整ったため、普通の家庭にも普及した。
年々高性能化するパソコンを自宅に置いて、電話回線を通してネットに接続することによって、ユーチューブ動画や映画まで楽しめるようになった。
そして、ハンディ高性能パソコンとも言える「スマートフォン」が登場したことによって、クラウドサーバーシステムはさらに大きく進化した。
すなわち、会社や学校、家庭内でしか使えなかったパソコンが、気軽に屋外で使えるようになった。
服のポケットにも入るような片手で持てるスマホが安く使えるようになり、今自分がいる現在地点の情報から、すぐ近くのお店や交通機関などの情報が、簡単に分かるようになった。
さらにはスマホ一つで、タクシーやレストランなどの予約と代金決済も出来るようになり、MaaS(マース)と呼ばれる一気通貫のサービスも始まっている。
こういう風に、クラウドとモバイルの連携サービスが、社会インフラになるのが「デジタル・トランスフォーメーション」である。
そしてデジタル・トランスフォーメーションが進むにつれて、大きな問題が発生した。
それが「取り残された古い企業」であり、複雑怪奇なレガシーシステム(旧式のメインフレームコンピュータ)だ。
2025年には、取り残された企業は競争に敗れ、大幅に業績を落とすのではないか。
そう懸念されていて、「2025年問題」「2025年の崖」等と呼ばれている。
デジタル・トランスフォーメーション DX 関連銘柄
デジタル・トランスフォーメーションは、古いコンピューターを最新のクラウドサーバーシステムに置き換える必要がある。
ところが古いレガシーシステムは、現代のサーバーシステムと互換性がないため、移植は非常に難しい。
近年、COBOLで運用しているシステムが故障しても、誰もそれを直すことができずに困っている古い企業も増えてきた。
20世紀末では、COBOLが分かるベテランスタッフがたくさんいたのだが、ウインドウズベースのクラウドサーバーシステムが普及するにつれて、COBOLは廃れてしまった。
そのため、運用中の古いレガシーシステムを移植するのは難題で、さらに故障などによる経済的損失も、年間12兆円にも上ると計算されていたりする。
DX導入 関連銘柄
- NTTデータ 9613
- 野村総合研究所 4307
- 日本ユニシス 8056
- システナ 2317
DX導入、移行サポート 関連銘柄
- 伊藤忠テクノ 4736
- ネットワンシステムズ 7518
- 富士通 6702