マイクロLEDとは
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マイクロLEDは、液晶・有機ELに続く第三のディスプレー素材として注目されている。
LEDは「発光ダイオード」のことで、東日本大震災以降、急速に世間に拡がったLEDランプを思い出すと良い。
LEDは液晶テレビにも入っていて、液晶画面のバックライトとして使われている。
つまり液晶だけでは画面はかなり暗いので、背面から白いLEDで画面を明るくしているのだ。
液晶と有機ELの違い
有機ELは有機エレクトロルミネッセンスの略語で、有機化合物を使った発光ダイオードだ。
有機ELは、液晶と比べて薄く作ることが出来るため、近年はスマホ画面によく採用されている。
有機ELは液晶に比べて反応速度が速く、素早く映像を表示できるため、テレビ画面として使うとシャープな映像を映すことが出来る。
また、低温でもサクサク動くという特徴がある。
液晶ディスプレイの仕組みと欠点
液晶というと、昭和生まれ世代には、電卓の数字や、デジタル腕時計の時刻表示部分が思い浮かぶかも知れないが、液晶は反応速度が鈍く、低温ではさらにそれが悪化するという欠点があったのだ。
液晶は固体と液体の中間的な物質のことで、電圧をかけると角度が変わる性質を持っていて、この角度によって光を通したり遮ったり、特定の色だけ通すことができる。
液晶テレビや液晶ディスプレイは、白色LEDの光を液晶シャッターで塞いで黒色を表示する。
また液晶を特定の角度すると、赤緑青(RGB)の光の三原色を出すことが出来る。
例えれば、白色ライトの前に窓を付けて、その窓の角度を変えることによって、色を作っているわけだ。
この窓の角度を変えるのに、ちょっと時間がかかってしまうため、液晶画面は反応がちょっと鈍くなる。
また物理的にも、温度によって反応速度が変わってしまう。
暖かい屋内で使用する分には問題は無いが、寒い屋外で使うのには向いていないのだ。
そこで寒い屋外でも利用されるスマートフォンには、有機ELが採用されていると言うことになる。
有機ELは、大型化と寿命に問題あり
有機ELは、液晶ディスプレイと比べて反応速度が速く、低温でも反応速度は変わらない。
そのため、寒い屋外でも使用する可能性が高いスマートフォンの画面に採用されている。
ところが有機ELは、液晶に比べて寿命が短く、焼き付き現象が起こりやすい。
有機ELは、有機化合物に電子を当てて光らせるため、どうしても劣化が進みやすいのだ。
寿命が短い有機ELは、スマートフォンのように数年で寿命が来てもよいツールには使えても、十年以上使う用なテレビやパソコンのモニターには採用しにくい。
スマートフォンなら、多少色の具合がおかしくなっても使えるが、テレビ画面だと汚くなるので使いづらいのだ。
また、有機ELは大型化しにくく、大画面テレビには不向きでもある。
そこで新たに注目され始めたのが、マイクロLEDディスプレイだ。
LEDディスプレイの仕組みと課題
LEDディスプレイとは、赤緑青の光の三原色をLEDで作り出すという仕組みだ。
LED自体は数十年前に発明され、自ら光る上に寿命もかなり長い。
仕組みとしては、赤色発光ダイオード、緑色発光ダイオード、青色発光ダイオードという三種類の小さなLEDを並べてディスプレイを作る。
野球場や街中にある大型ビジョンは、こういう仕組みで作られている。
因みにLEDというと、今の人は白色LEDやLEDランプを思い浮かべるかも知れない。
それをどうやって赤や緑や青にするの?と思われる方もいるだろう。
でも実は昔はLEDは、赤や緑色や黄色にしか光らないものだったのだ。
そして日本で青色LEDが発明されたことで、白色LEDもできたという経緯がある。
なので単色LED自体はかなり昔から発明されており、原理的にはテレビ画面に使うことも可能で、それが20年前以上から野球場や街中の大型ビジョンに使われていた。
ただLEDを小さくするのが難しく、コストも馬鹿でかいので、家庭用のテレビ画面には採用されてこなかった。
赤緑青のLEDユニットを何百万個も並べる必要があるから、1ユニット10円で出来ても数千万円以上になってしまう。
さらに4Kテレビと言う高画質テレビになると、800万個以上のLEDユニットが必要になるから、1ユニット10円でも八千万円以上になってしまう。
大型ビジョンなら1億円以上でも採用されるが、家庭のテレビをこんな値段で売り出すわけにはいかないしね。
ところが近年、日本・韓国・中国などの電機メーカーが、猛烈な開発競争を始め、2018年あたりから家電ショウに参考展示され始めるようになった。
マイクロLEDディスプレイは、曲面でも作れるため、テレビ画面以外にも、駅構内やデパート内の柱に貼り付けることも出来る。
用途は、平面テレビよりもはるかに多い。
ミニLEDは、マイクロLEDとは全くの別物
一方、最近は、ミニLEDというものも登場している。
ミニLEDは、マイクロLEDとは違うもので、簡単に言うと液晶テレビのバックライトのLEDを細かくしたものだ。
液晶は光を遮ることで黒くしたり、液晶の角度を変えることで色を出す仕組みなので、白色LEDをバックライトに使っている。
このバックライトを細かくして、部分毎にコントロールすることで、画像が細かく表示できるというのがミニLEDの利点だ。
さらにミニLEDを薄いガラス基板に埋め込んでモジュール化することで、家庭用テレビとしても買える値段になるという。
この技術が進めば、マイクロLEDを安く量産することも可能になるかも知れないが、まだまだそう言う段階ではないらしい。
マイクロLED 関連銘柄
6758 ソニー
マイクロLEDテレビを発表。
4063 信越化学工業
6740 ジャパンディスプレイ
6753 シャープ
5706 三井金属鉱業
7717 ブイ・テクノロジー
その他 LED関連
曲面LEDなど