化繊の衣料を干しただけで、ナノプラスティックが飛散する

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マイクロプラスティックの定義は、5mm以下の個体プラスティックとされている。

 

しかし実際にはそれよりもはるかに小さな、ナノプラスティックという大きさのプラスティック粒が、大気中に飛散していると考えられている。

 

というのもフランスのピレネー山脈の人里離れた測候所でも、集水所でマイクロプラスティックが発見されたからだ。

 

しかもその数、1平方メートル辺りで平均365個!。

 

毎日毎日、マイクロプラスティックが365個前後、降り積もっているわけだ。

 

ピレネー山脈は、フランスとスペインのバルセロナの間にある大山脈で、大量のプラスティックが持ち込まれるような環境ではないため、この報告は世界に衝撃を与えた。

 


マイクロプラスティック、ナノプラスティックは、どこからやってきた?

 

雪に覆われ、人が住む地域から数十キロも離れた山奥に、なぜマイクロプラスティックが飛んでくるのか。

 

実は飛んでくるのは、マイクロプラスティックだけでなく、遠く離れた砂漠の細かな砂も同様らしい。

 

目に見えないような小さな粒になると、100km以上も遠くから風に乗って運ばれて来て、そして山に積もるらしい。

 

ナノプラスティックも、それで運ばれてくるわけで、それが飲料水に混じってしまうわけだね。

 

このナノプラスティックとは、目に見えないくらいの大きさのプラスティックの粒で、血管などに入れば全身に回ってしまう大きさのプラスティックだ。

 

マイクロプラスティックは、有害な金属や化学成分、病原菌などを吸着する性質を持っているため、人間やその他の生物の健康状態に悪影響があるのではないかと考えられている。

 

脱プラスティック 企業や政府の対応が進む 

マイクロプラスティックによる海洋汚染の問題は、2016年に富山で行われた環境相G7会議でも取り上げられた。

 

EUでも、2030年までに、プラスティックの投棄を禁止し、回収率を100%にすることが合意された。

 

しかし2018年夏のスターバックスのプラスティックストロー廃止宣言以降、企業や政府の脱プラスティック政策発表が加速している。

 

大手百貨店やファッションチェーンは、プラスティック製の買い物袋を廃止して、紙製のモノに替え始めた。

 

また2019年の6月には、セブン-イレブン・ジャパンが、おにぎりのプラスティック包装を、生分解性プラスティックに替えることを発表した。

 

 

脱プラスティック関連 紙素材メーカー

 

王子製紙 3861

新聞紙やティッシュペーパーなどの大手紙業メーカー。

 

食品や菓子などのプラスティック包装の代替品として、特殊なコーティングを施した紙製の包装資材を展開中。

 

日本製紙 3863

日本第二位の製紙メーカー。

 

特別なコーティング剤により、酸素や水蒸気、臭いなどを通さない紙包装資材を開発中。

 

中越パルプ工業 3877

環境経営総合研究所の開発したMAPKA(マプカ)を使って、スーパーで使用されている食品トレーの代替品を展開中。

 

MAPKA(Moldable Paper Kankyo)は、製紙会社で大量に出る端紙を加工した紙パウダーに、ポリオレフィン系樹脂を混ぜて作った新素材。

 

プラスティックと同じように成形加工できるうえ、燃やしても有害ガスがでないため、プラスティックの代替品に利用できる。

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