3PL サードパーティロジスティクスとは
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3PL(サードパーティロジスティクス)とは、メーカーの物流を一手に担う新サービスだ。
保管、配送、荷役(にやく/にえき)、輸出入など、今までは企業がそれぞれ別個に手配してきたことを、一手に引き受けるのが、3PLというサービスだ。
メーカーは、様々な段階で倉庫や輸送を使う。
たとえば工場で作った製品を、顧客に届ける。
これを「販売物流」と呼び、在庫管理や配送管理を含む。
製品を顧客に届けると言っても、いきなり工場から顧客に届けるわけではない。
工場で作った製品は、いったん工場の倉庫に保管される。
保管された製品は、次に全国の物流拠点の倉庫に運ばれる。
各地の物流拠点からは、百貨店や販売店などの小売店に運ばれる。
倉庫から運び出すには、製品をトラックやコンテナに積み込みんだり下ろしたりする作業も必要で、これが「荷役」だ。
保管、運送、荷役は、生産にも必要
また工場で製品を作る場合も物流が関係している。
調達物流、工場内物流、静脈物流などと呼ぶ。
たとえば製品を作るためには、工場へ原材料を運び込まなければならない(調達物流)。
原材料は、素材やコモディティそのものの場合もあるし、組み立てれば良いだけの半製品の場合もある。
また工場を動かすためのエネルギーや、製品を作るための中間財、消毒剤などの化学薬剤も運び込まねばならない。
ゴミが出れば、ゴミも運び出さねばならない(静脈物流)。
こういう風にメーカーでは、製造時にもモノを運ばねばならないし、販売時にもモノを運ばなければならないのだ。
さらに海外にモノを輸出したり、海外からモノを輸入する場合は、コンテナ輸送や税関での手続きも必要になってくる。
大企業の場合は、自前でこれらの物流や荷役を賄えるが、中小企業ではちょっと荷が重い。
そのため、貸倉庫や日本通運やクロネコヤマトや佐川急便といった運送会社を使ったりするのだが、コストが嵩む。
商品が売れすぎると、新しい倉庫を探さないと行けないし、逆に商品が売れなくなると、売れない商品の在庫のために倉庫費だけ嵩んでいく。
第一の物流、第二の物流とは
サードパーティロジスティクスは、「第三の物流」という意味だ。
第一の物流は、メーカーによる物流。
製品を作ったメーカーが、自ら物流を設計し、コントロールする。
第二の物流は、問屋や小売店による物流だ。
販売現場に近い方が、物流を設計し、コントロールする。
セブンイレブンやローソン、AEONなどといった、巨大小売りチェーン側が、自前の物流センターにメーカーから商品を集めて、物流をコントロールする。
Amazon.comなどは、巨大な物流センターを続々と建設し、配送も自前で始めようとしているので、第二の物流だね。
サードパーティロジスティクスの「サード」とは?
第一・第二の物流は、自社の製造計画や販売計画に基づいて、物流設計するわけだが、ドンドン変わっていく変化に対応するのが難しい。
定番商品の物流であれば、年間計画も立てやすいが、急に売れ出したり逆に売れなくなったりすると、物流量が大きく変化するため、対応しづらい。
そこで固定的な物流は自社で賄い、変動的な物流は外部の物流業者を使うという選択肢を採る。
この物流を請け負うのが、第三の物流企業だ。
第三(サードパーティ)の物流を担うのは、倉庫や物流センターを持った運送会社で、製品の保管・配送・荷役をまとめて担う。
メーカーや小売りチェーンは、新たに倉庫を用意したりトラックを用意する代わりに、サードパーティの倉庫やトラックを借りて配送や荷役もやってもらう。
あるいは、面倒な物流はサードパーティに丸投げして、商品開発やマーケティングに資源を集中させるという企業もあるという。
3PL サードパーティロジスティクス 関連銘柄
日本通運、ヤマト運輸、佐川急便などの宅配大手以外の注目銘柄。