蝗害(こうがい) 大量発生したバッタの害

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トノサマバッタ

蝗害(こうがい)が、世界の食糧事情を危うくさせている。

 

蝗害の蝗(こう)とは「イナゴ」のことで、イナゴやバッタが大量発生して、農作物を食い荒らすのが蝗害だ。

 

ただ、大規模な蝗害の原因はイナゴではなく、茶色く変身したトノサマバッタやサバクバッタだ。

 

バッタは環境によって、相変異(そうへんい)と呼ばれる変化を遂げる。

 

トノサマバッタやサバクバッタが、狭い範囲に大量に発生して世代交代を繰り返すと、密度効果で特別な変異が起こる。

 

そして長翅型(ちょうしょうがた)と呼ばれる、翅(はね)が長くて強いタイプの「トビバッタ」が大量に生まれる。


 

サバクバッタが相転移してサバクトビバッタに変化すると、1日になんと100kmも移動することが出来るようになる。

 

しかも5日ごとに50個から100個のタマゴを産み、葉っぱという葉っぱを食い荒らす。

 

そうして行く先々で草や木の葉や農作物の葉を食い荒らしながら大量発生して、農業生産に大打撃を与えるのだ。

 

因みに緑色のトノサマバッタや砂漠バッタが、トビバッタに変化すると、なぜ黒や茶色になるかというと、バッタの緑色は草の中で隠れるためのカモフラージュで、緑を食い尽くしてしまうと緑色している必要がなくなるかららしい。

 

茶色いバッタ

トビバッタ

 

トビバッタの蝗害対策とは

蝗害対策や予防策として用いられるのは、殺虫剤の散布だ。

 

バッタが密集して相変異を起こす前や、大量発生している場所を見つけ、殺虫剤を撒く。

 

幸いなことに、相変異したバッタは殺虫剤に耐性がなく、比較的弱い殺虫剤でも駆除できる。

 

ただし飛行機などで大量に散布するため、人が住んでいる場所では、散布できない。

 

農作物に影響が出るような場所でも、散布しにくい。

 

散布も、普通の農薬のような形ではなく、微粒子レベルに細かくしないと行けない。

 

アフリカで蝗害がよく発生する理由とは

アフリカや中近東では、蝗害がよく起こる。

 

大量に発生したトビバッタ・渡りバッタが、アフリカの農作物や草花を食い荒らす。

 

しかしわかっていても、毎年どこかの国で蝗害が起こる。

 

というのも蝗害の拡大防止には、殺虫剤の散布が有効だが、他にも様々な費用がかかるからだ。

 

殺虫剤と、それを散布するセスナやヘリがあれば良いというわけではない。

 

まず、バッタが大量発生している場所を見つけないといけない。

 

そのために、定期的なパトロールを行わなければならない。

 

そしてバッタが大量発生している場所を見つけたら、すぐに殺虫剤を散布しないと効果が薄い。

 

成長したバッタは、ドンドン飛び去っていくため、飛び去る前の幼生の状態で見つけて駆除しなければならない。

 

トビバッタは、5日ごとにまた卵を産みつけて飛び去るから、駆除が遅れるとドンドン増えてしまう。

 

ところが蝗害が数十年に一度くらいしか起こらない国では、政府の防虫予算が少ない。

 

また内乱や騒乱などで、蝗害対策どころではない国も多い。

 

そのため、蝗害の発生を見つけるのに遅れたり、隣国に蝗害が広まってから対処することになる。

 

先進国やサウジアラビアなどの周辺国は、バッタ駆除のための資金援助も行っているが、蝗害が複数の国にまたがって発生すると、どうしようもなくなるのだ。

 

殺虫剤 関連銘柄

4985 アース製薬

殺虫剤の国内シェア1位メーカー。

 

4998 フマキラー

殺虫剤の国内3位の殺虫剤メーカー。
海外市場にも力を入れる。

 

因みにシェア2位は大日本除虫菊(キンチョー)で、非上場。

 

4651 サニックス

シロアリ駆除。たまに相場を作る。

 

6073 アサンテ

シロアリ駆除。

 

3524 日東製網

防虫ネット。

 

7940 ウェーブロックホールディングス

防虫網・防虫製品

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