EdTech(エドテック)、教育ICT、遠隔教育
更新日:
EdTech(エドテック)も、最近少しずつ耳に入るテーマだ。
エドテックは、エデュケーション(教育)+テクノロジーで、簡単に言うと、ネット学習システムだ。
たとえば、リクルートが中学生や高校生向けに、予備校講師の授業が見放題の「スタディサプリ」というサービスを展開しているが、ああ言うヤツだ。
エドテックでは、ネットやタブレット端末が利用できる環境さえあれば、低コストで高レベルの学習が受けられる。
そのため、離島や中山間地に住む子供むけの遠隔教育にも利用可能で、期待されている。
スタディサプリは、勉強のサブスクリプションモデル
スタディサプリは、「勉強のサプリメント」という意味で、15分間授業を見て勉強をすすめるシステムだ。
今流行の「サブスクリプション」サービスで、毎月定額料金を支払えば、用意されている15分単位のビデオ講義、およそ4万タイトルが見放題。
学習レベルも、「ベーシック」「スタンダード」「アドバンス」という3段階に分けられていて、さらにわかりやすい導入編も用意されている。
月々1,980円(+税/2020年現在)だけで、4万種類もあるビデオ講義が見放題って、塾や予備校通いに毎月数万円払っている親御さんから見ると、タダみたいな値段だ。
受験生から見ても、参考書一冊買うのと同じくらいのコストで、手を出せないコストではない。
それで一流の講師の授業を見放題だし、授業テキストもPDFでダウンロードできるから、ほんとにもうタダみたいな値段だ。
しかしなぜ、そんな低価格で高レベルのサービスが提供できるのか。
ここに、エドテックや教育ICTの秘密がある。
スタディサプリ 高校・大学受験講座
月額2千円前後で、一流予備校講師の15分授業が見放題。レベルも復習・ベーシック・スタンダード・アドバンストの4段階で授業が展開されている。
スタディサプリは、なぜ月1,980円で成り立つのか
スタディサプリは、サーバーに蓄えられている授業動画を、ただ呼び出すだけで、基本的にYouTubeと同じ仕組みだ。
そして授業動画も、15分授業を数十本分をいったん収録したら、何年もそれを使い回しできる。
日本の学習要領は10年ごとに新しくなるので、10年近くは使えるし、基本的な授業はもっと長く使える。
授業用のテキストも、PDFファイルで作られているので、一人あたりのコストも限りなく安くなる。
紙に印刷するテキストであれば、在庫管理だとか、配送だとか、様々なコストがかかってしまうが、生徒が勝手にサーバーからダウンロードするだけだから、教材配布コストもかからない。
図書館と同じで、一通りの本を置いたら、あとは毎年新しい本を少しずつ追加していけば良い。
さらにその一冊の本を数十万人で使うわけだから、一人あたりのコストはホントにもう数円レベルになる。
しかも近年は、クラウドサーバーという、従量制のレンタルサーバーが普及し、受講生の増減に柔軟に対応することができるようになったことも、低価格化の要因の一つだ。
利用者数が増えればサーバーはすぐに増やせるし、閑散期は逆にサーバーの利用料はやすくなるし。
なので、収録した15分単位の講義動画を、サーバーなどに大切に保管し、そのコピーをAmazonのAWSだとか、Microsoftのアズーレなどのクラウドサーバーを使って配信すれば良いのだ。
一方、インターネットにつながる環境は、受講者側が持っているモノだから、スタディサプリ側は何のコストも払わないで良いし。
学習塾や予備校のように、教室を借りて講師を雇い、生徒を前にして授業をしたり、保護者との面談をしたり、夏期講習や冬期講習を薦めたりといった、物凄い人件費もスタディサプリでは必要無い。
因みに、そういう人件費がかかるコーチング的なサービスが必要な受験生には、別に月額9,800円で請け負っている。
遠隔授業と教育ICT
スタディサプリは、生徒に対する指導は別料金で請け負う仕組みで、通常は勉強したい生徒が、好きな時間に講義を見るという形のエドテックだ。
一方、生徒とオンタイムで授業したり質疑応答に対応するのが、遠隔授業システムや教育ICTだ。
遠隔授業自体は、Web会議システムのZOOM(ズーム)などを利用して行うこともできる。
が、それだけでは足りない。
生徒一人一人の習熟度合いをテストすることもできないし、生徒が自発的に自習することもできない。
そこで自分でドンドン勉強できるようなプログラムや、できないところや苦手な部分を何度も練習するようなソフトウエアも必要なのだ。
パソコン上で実施できるテストや、生徒一人一人の習熟度に合わせたチュートリアルなど、ソフトウエアによってできることは山ほどあるし。
エドテック 教育ICT 遠隔教育 関連銘柄
チエル 3933
ネット接続を前提としたGoogleの超廉価ノートパソコン「クロームブック」に対応した、クラウド型授業支援システムの販売を開始。
英語4技能学習システム「CaLabo MX」を発売予定。
バーチャレクス 6193
AI活用モデルの新ソリューション「進化計算ダーウィン」の提供を開始。
テクノホライゾン 6629
子会社のエルモ社は、遠隔授業の相談窓口を開設し、教育ICTの新製品を相次いで発表。
内田洋行 8057
学校の備品やシステムに強みを持つ。
小中高校向け教育ICT分野の売り上げが伸長。
レアジョブ 6096
オンライン英会話大手。
メディアシーク 4824
スクール経営総合管理パッケージ「マイクラス」などを運営。
EduLab (エデュラボ)4427
次世代教育向けにeラーニングやテストの運営・受託。
日本サード・パーティ 2488
Web試験の配信プラットフォームを提供。
ネオス 3627
さまざまな教育プラットフォームを展開。