スマートシティ構想とは
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スマートシティとは、昭和の時代に未来都市としてイメージされていた、ハイスペックな街のことだ。
20世紀には、未来都市としかイメージされていなかったスマートシティだが、半導体やコンピュータの飛躍的な性能アップと、インターネットの普及によって、21世紀に入ると現実味を帯び始めた。
スマートシティは、電力や上下水道などのインフラが最適化され、大勢の人間が快適に暮らせる環境を備える。
乗りたいときにすぐに乗り物に乗ることができて、行きたい場所にすぐに行ける。
美容院や病院など、すぐに予約して、待たずにサービスが受けられる。
そんな街というイメージかな。
ただ、スマートシティの概念は、現実味を帯びるにつれて、少しずつ変化してきた。
柏の葉スマートシティ(千葉県柏市)
柏の葉スマートシティは、千葉県柏市で行われている公・民・学連携の街づくりプロジェクトだ。
三井不動産、柏市、東大、千葉大などが参画し、様々な実証実験が行われている。
2005年に、つくばエクスプレスが開業するのに合わせて開発された。
住宅・商業施設・オフィス・ホテル・病院・大学・公園などを、半径約3km圏内に集めた。
「環境共生都市」、「健康長寿都市」、「新産業創造都市」という三つのテーマを課題としている。
柏の葉エリアエネルギー管理システム
平常時には街の区画を超えて電力を融通、効果的なCO2削減とエネルギー情報の見える化。
災害時にはエレベーターや避難所などのライフラインに優先して電力を配分。
日立製作所が参画。
イノベーションフィールド柏の葉
AI・IoTおよびライフサイエンス・メディカルの2分野にフォーカスを絞り、柏の葉のまち全体でプロジェクトの受け入れ。
栢の葉キャンパスには、東大柏キャンパス、千葉大環境健康フィールド科学センター、国立がんセンター東病院などがある。
トヨタも、静岡県裾野市でスマートシティ建設
トヨタ自動車も、スマートシティ構想に、本腰を入れ始めた。
トヨタのスマートシティ構想は、「コネクテッド・シティ」と呼ばれるモノで、5Gでインターネットに常時接続された自動運転EV(コネクテッド・カー)が、人や物を運ぶ。
トヨタのコネクテッド・シティは、自動運転、モビリティ・アズ・ア・サービス(MaaS:マース)、パーソナルモビリティ、ロボット、スマートホーム技術、人工知能(AI)技術などを導入するもので、2021年から実証都市を建設して検証を行うという。
具体的には、静岡県裾野市にあるトヨタ東富士工場の跡地にゼロから街を建設し、トヨタの従業員や関係者ら、およそ2000人を住まわせて、スマートシティ実験を行う。
トヨタでは、この実証都市を「WovenCity(ウーブン・シティ)」と名付けている。
wovenはweave(ウイーブ:織る)の過去分詞で、「織物のように造られた街」ということらしい。
ウーブン・シティの面積は約71万平方メートルで、東京ドーム15個分、甲子園球場18個分の広さになる。
東京で言えば、明治神宮の敷地面積とほぼ同じくらいだという。
詳しくは、次のページで。
スマートシティ 関連銘柄
スマートハウス HEMS 関連銘柄
HEMS(Home Energy Management System)は、家庭で使うエネルギーを節約するための管理システム。
住友林業 1911
太陽光発電、エネファーム、家庭用蓄電池、HEMSを組み合わせた住宅を販売。
HEMSで東芝と連携、NECや日産とリチウムイオン電池で実証実験。
積水化学工業 4204
太陽光発電、大容量リチウムイオン蓄電池、HEMSを搭載した住宅を発売、一万棟以上の受注。
NECとHEMS領域で業務提携。
ミサワホーム 1722
住宅大手。太陽熱の創エネ、高断熱ガラスの省エネ、蓄電池付きHEMSを搭載した住宅を販売。
自動車充電設備ではトヨタホーム及びトヨタグループと提携。
メガチップス 6875
独自のアナログ/デジタル/MEMS技術を駆使したLSIおよびMEMSタイミングデバイスの設計、開発、生産までトータル ソリューションを提供。