量子コンピュータ
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量子コンピュータとは、普通のコンピュータでは物凄く時間がかかる計算を、短時間で計算できるコンピュータだ。
通常のコンピューターでは「0」と「1」という2進数で計算を行うが、量子コンピュータではN進数で計算を行う。
そのため、従来のコンピュータが苦手としていた「総当たり計算」が素早く出来る。
量子コンピュータの強みは並列計算で、因数分解など、古典的コンピュータが苦手としている計算に強い。
従来のコンピュータは、因数分解が苦手
量子コンピュータと従来のコンピュータは、何が違うのか。
まず従来のコンピュータは、苦手な計算がいくつもある。
たとえば、因数分解やフーリエ級数展開・フーリエ変換は、従来のコンピュータでは非常に時間がかかる。
というのもこれらの計算は、しらみつぶし的に計算するため、データが大きくなるに連れて、指数級数的に計算量が増えるからだ。
因数分解やフーリエ級数の処理を考えるのは難しいので、席決めの話で考えよう。
結婚式の席決め問題
たとえば、結婚式の席決めをするとする。
招待客が5人なら、席決めの方法は5!(五の階乗)になるから、5*4*3*2*1=120通りだ。
この120通りの中から、隣同士に出来ない組み合わせをチェックして除外する。
あるいは、同じテーブルにしない組み合わせをチェックして除外するには、120回の計算を行う必要がある。
また残った組み合わせの中から、さらに最適な組み合わせを選ぶ計算も必要だ。
でも120通りくらいの計算なら、1秒もかからないだろう。
では、招待客が2倍の10人になると、どうなるか。
10!(10の階乗)=3,628,800 で、およそ363万通りの組み合わせ(順列)になる。
1万通りの計算を10秒で行えたとすると、3,630秒かかるから、およそ1時間の計算になる。
さらにこれが20人になると、20!で、およそ243京(けい:兆の1万倍)通りになる。
10人の時の700億倍くらいの計算量になるので、ざっと800万年くらいかかる。
たった20人の席決め計算するのに、そんな途方もない時間がかかるわけだね。
これが量子コンピュータなら、あっと言う間に計算できるというのだから、凄い。
あっと言う間と言っても、800万年かかる計算が数十分で出来るって話だけど。
量子コンピュータ 関連銘柄
フィックスターズ 3687
マルチコアプロセッサーによる顧客企業の高速処理のパートナー企業。
カナダのDウェーブ社との協業で、量子コンピューター分野に展開中。
NF回路 6864
エヌエフ回路ブロック。
量子コンピューターの研究開発に必要な、世界最高レベルの信号増幅装置を手掛けている。
YKT 2693
子会社が量子コンピュータ関連機器を扱う。
ブレインパッド 3655
人工知能(AI)を使ったビッグデータ解析などを行う。
80人以上のデータサイエンティストを抱える強みを生かす。
ユビキタスAI 3858
人工知能(AI)関連ソリューション分野で優位性。
暗号を量子コンピューターによる解析から守る技術を展開。
日本ラッド 4736
人工知能(AI)ベンチャーの米ディメンショナル社と業務提携。
ディメンショナル社独自のAIサービスを活用した企業向けソリューションを展開。