株価がピークを過ぎると、債券や黄金市場が賑わう
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日経平均株価が下落するかどうかは、海外の機関投資家の動向次第だ。
海外の機関投資家達が、日本株では儲からないと判断したら、日本市場でのポジションを縮小して、投資資金を引き揚げる。
引き上げた資金を他の国の株式市場や、国債などの債券市場や黄金などに、投資資金を移動させていく。
機関投資家は、巨大な資金を運用して、運用益を上げないといけないので、見込みのないところに資金はつぎ込まない。
成長が止まった成熟国より、成長が著しい新興国の方がチャンスがあるので、発展途上にある中進国に投資する。
中進国もダメならば、あまり儲からないが、確実に利益が出せる債券市場で運用する。
また一部資金は、黄金(きん)市場や、プラチナ市場などの希少資源に向かう。
そのため、世界中の株式市場が下落トレンドになると、債券市場や黄金市場などが賑わい始める。
債券市場は、株式市場の数倍あるので、巨大資金の逃げ先にはちょうど良いらしい。
ちなみに債券市場がどのくらいの規模かは、イギリスのシンクタンクが発表した「BOND MARKETS 2012」による推計では、全世界で約100兆ドルくらいになるという。
このうち、1位のアメリカの債券が約26兆ドルくらい。
2位は日本の債券で、14兆ドルくらいとなっていて、そのうちの12兆ドルが日本国債・地方債だ。
キャピタルフライト 巨大資金が債券市場に逃げる
キャピタルフライトとは、国内の資金が海外に逃げだすことだ。
国内に投資先が少ない場合、投資資金は海外に流出する。
あるいは投資先があっても、利回りが期待出来ない場合、投資資金は海外に流出する。
国内で運用して利回りが1%にもならなければ、それよりも利回りの良い外国で運用した方がマシ。
だから経済が悪化した国から、経済が成長している国に、資金が移動する。
そしてキャピタルフライトが起こった国では、外貨準備高が減って、輸入も制限せざるを得なくなる。
これと同じように、先進国の株が下がり始めると、株式市場に投資されていた資金が、債券市場や黄金市場に移動し始める。
株を売って、国債や金融債や社債などを買う。
何兆円も動かしている機関投資家が、買えるほどの国債があるのか?とも思ったりするが、株式市場よりも債券市場の方が規模がでかい。
なので株で儲からなくなったら、投資資金は債券市場へ逃げこむらしい。
因みに2015年2月のデータでは、世界の主要取引所合計の時価総額合計は、約66兆ドル。
その内訳は、ニューヨーク証券取引所が、約19兆ドル、ナスダック証券取引所が、約7兆ドル、東京証券取引所が、約4.7兆ドル、上海証券取引所が、約4兆ドル。
一方、全世界の債券市場規模は、2012年の推計では約100兆ドルで、ますます増える方向にある。
内訳は、アメリカの債券が約26兆ドル。
そのうち公共債(国債・地方債)が約13兆ドル、金融債が、約9兆ドル。
第二位の債券発行国が日本で、約14兆ドルの債券のうち、国債などの公共債が、12兆ドルを占める。
確かに債券市場の方が、株式市場よりも規模が大きくなってるね。
ということで、平均株価の先行きがどうなるかは、債券市場へ資金が流出しているかどうかで見当がつく。
つまり株価が頭打ちになり、債券市場が賑わいだしたら、平均株価はピークを過ぎているって事だね。
まあそれでも証券関係者は、「株はまだ騰がる」と言い続けるんだろうけど。