ロックアップが解除されたあと、株価はどうなる?
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IPO銘柄で注意が必要なのが、ロックアップ解除後の株価の動きだ。
新規上場銘柄というのは、今まで株式市場で扱っていなかった株を、一気に市場ににいる投資家に売り出すことだ。
ただし既存の株主がすぐに株を大量に売ると、株価がドーンと下がってしまうので、一定期間、売れない期間が設けられている。
それがロックアップ期間(90日あるいは180日)だ。
ロックアップ期間中は、その企業に投資していたVC(ベンチャーキャピタル)は、保有株を売れないが、ロックアップ解除になると、その株を売ることができる様になる。
次の図は、2015年10月22日に新規上場した、グリーンペプタイド(4594)の日足チャートだ。
公募価格は450円だったが、初値は410円。
ロックアップ期間は90日で、2016日1月19日までがロックアップ。
5%以上の株を持っていたベンチャーキャピタルは、1月21日付でロックアップ解除を東証に報告していたので、実質21日から株を売り始めていたらしい。
ロックアップ解除前の株価はずっと低迷していたが、解除の2週間前に、とある提灯記事で株価が上昇。
IPO担当の証券会社も、株価が低迷しているとまずいので、ロックアップ解除前に色んな材料を出して、株価を吊り上げようとするんだろう。
その結果、ストップ高を4回ほどつけた後、ロックアップ解除日を迎えることになった。
ロックアップ解除後の株価の推移・日足チャート
こうしてみると、見事に解除前日に、大きく売られてるね。
そしてロックアップ解除後は出来高が、半分以下に減っており、上ヒゲが並んでいる。
ベンチャーキャピタルもビジネスだから、投げ売りはしない
ロックアップ解除になったら、ベンチャーキャピタルもビジネスだから、当然の様に株を売ってくる。
彼らは将来どうなるか分からない、怪しいベンチャー企業に、何億もの金を出資し、株式上場で資金を回収するのが、本来の仕事なのである。
なので売れるウチに株を売って、資金を次の投資先に移したい。
だから彼らが株を売り終わるまで、株価はなかなか上がらないし、逆に買い手がいなくなるような投げ売りは、控えるものだと考えられる。
グリーンペプタイドの日足チャートを見てみると、ロックアップ解除後は、上ヒゲが何本も並んでいる。
上ヒゲというのは、株価が一旦上がったあと、売り優勢になって株価が下がる状態だから、「(株価が上がったら売ろうという)売り待ち」が、たくさん潜んでいることが分かる。
この売り待ちしているホルダーが誰かというと、解除前の2週間の高値で買ったホルダーか、ロックアップ解除で株を売れる様になったVC(ベンチャーキャピタル)だと言うことになるだろう。
ロックアップ解除後に伸びないのは、少し騰がればVCが小出しに株を売って、投資を回収しているのだと思われる。
しかし下値の方も意外と固くて、400円の節目を割ると、ジワジワと買いが湧いて出てくる。
VCは410円を超えると売ってきて、390円より下では売らないと言う形で、保有株の現金化を行っているのかも知れない。
こうしてみてみると、売り方が売り終わるまで、しばらく様子を見た方が良いかも知れない。
売り方は、高く売りたいから、提灯記事のようなモノをどこかに載せたり、色んな事をやる可能性もあるから、売り終わったら、材料がなくなって下がる可能性もある。
果たしてこのあとはどうなるのかな?