7月8月の夏枯れ相場
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株が上がる月・下がる月。
次は7月8月の夏枯れ相場の話。
夏枯れ相場というのは、7月8月の夏のシーズンは、売買が減って株価が下がるということだ。
時期的には、7月の下旬くらいから、買いの勢いが急になくなって、8月末くらいまで静かな相場が続く。
8月中旬のお盆休みの時期も、株式市場はオープンしているのだが、お盆休みが近づくにつれて、ポジション調整する人も多く、株を積極的に買う人が減るので、株価はジワジワ下がっていく。
その結果、売買代金総額が大きく減る。
1日の売買代金総額2兆円が、東証一部の活況の目安とされているが、株価が低迷している時は、これが1兆円前後まで落ち込む。
東証一部でも、活況時の半分くらいしか売買がないわけだから、これが新興市場ともなると、さらにひどい。
新興市場では閑古鳥が鳴いていて、ストップ高をつける銘柄もないし、値上がり率ランキング上位も、売買のほとんど無い閑散銘柄が並ぶ。
盆休み前のポジション調整で、株式市場から投資資金が抜けていくわけだから、日経平均も当然ながらジワジワ下がる。
ただしこれは通常の年の話であって、アメリカ大統領選の一年前だけは、ちょっと話が違うらしい。
セル・イン・ジュライの影響
欧米では6月から8月は夏休みで、投資ファンドなども積極的に動かない。
この時期は買い手不足になるので、株価は低迷しやすい。
なので「5月に売って9月に帰ってこい」なんていう株の格言もあるくらいだ。
ところがどういうわけだか、アメリカ大統領選挙の前年には、セル・イン・メイの下落パターンが、2ヶ月か3ヶ月ほど後ろにずれるという。
過去数十年の統計では5月のピークの後に、7月や9月に株価がさらに高値をつけて、10月11月に株価が横ばいになる。
なぜこういうことが起こるのかは、アノマリーで、よく分からない。
ただ大統領選挙の前年の夏に何が起こるか、いろいろと想像してみると、雰囲気は分かる。
というのも大統領選挙の1年前の夏は、与野党の大統領候補が出そろい、様々な公約を述べはじめるからだ。
大統領候補の出自はいろいろだし、支持層もいろいろだろう。
それによって株式相場でも、値上がりしそうなジャンルが増えて、広い業種に買いが入る。
その結果、他の年ならば低迷している7月や9月の株式相場に買いが入って、相場が活況を呈する。
日本の株式市場も、アメリカの株式市場の影響を強く受けるため、アメリカ大統領選挙の前年は、夏枯れが幾分和らぐってことらしい。
ただ大統領選挙の前年でも、8月の月次パフォーマンスは良くないし、10月11月も決して良くないので、売られる時期が後ろに数ヶ月ずれる。
例年なら10月から12月までは、株価が上がりやすいのだが、大統領選挙の前年は違うパターンかも知れない。
これは日経225などの指標をトレードしている場合は、頭の片隅に置いておいた方が良い情報かもね。