配当金狙いで株を買っても、実はあまり儲からない
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株を買う理由としてよく挙げられるのが「配当(はいとう)」と「株主優待」だ。
株を持っている人は、その企業から利益の分配を受け取ることができる。
企業から受け取る分配金が、「配当」と呼ばれるモノだ。
<企業が配当金をいくら出すかは、決算ごとに企業側から発表される。
因みに配当金を増やすときは「増配」、配当金を減らすときは「減配」、配当金を出さないときは「無配」という。
そして株価に対する配当金の割合を、「配当利回り」と呼ぶ。
配当金が2円で、株価が100円なら、配当利回りは2%って事だね。
配当利回りの高い企業の株は、当然ながら人気が高くなる。
そして増配が期待される銘柄は、株価がジワジワ上がるし、逆に減配や無配になりそうな銘柄は、株価がジワジワ下がる。
実際にどれくらいの利回りになるかは、買いつけた時の株価で変わってくるので、一概に何%とは言えないのだが、配当利回りが高い企業でも4%前後だ。
どういう企業が配当利回りが高いかは、予想配当利回りランキングを見れば分かる。
★予想配当利回りランキング(ヤフーファイナンス)ただしこの配当利回りは、毎日変わる。
というのも株価が変われば利回りも変わるし、権利付最終日が近づけば利回りは下がる。
権利付最終日というのは、株主確定日に株を持っているために、株を持ち越さねばならない日のことだ。
配当金は年に一度ある「株主確定日」に株を持っている人に配られるのだが、受渡日という制度があるので、実際にはその4営業日前の大引け後が、株主である権利の確定日になる。
そして権利付最終日が近づくにつれて株価は上がる傾向にあり、逆に、権利付最終日の翌日は、「権利落ち日」と言って、株価が下がることが多い。
権利を押さえたら、もうその株には用がないとばかりに、株を手放す投資家も多いからだ。
なので株主の権利は取ったけれど、もらう配当金より、株価の下落の方が大きくて、結局、損をしていたという事も多い。
配当金狙いで株を買う場合は、騰がる理由がある株を狙う
配当金狙いで株を買うというのは、トレードとしてはあまり割が良くない。
というのも権利付最終日の翌日、いわゆる「権利落ち日」には、株価がドーンと落ちることが多いからだ。
たとえば権利付最終日に株を買って、仮に配当利回りが2%だったとすれば、2%の株価下落でもうマイナスになる。
配当が2円しかないのに、株価が買値より2円以上下がったら、一体何だったんだ?という感じになる。
また権利付最終日の大引け後に、増資を発表する企業もあって、そうなると株価がドーンと1割以上も下がることもあるので、配当金狙いというのは、ホントに割に合わない。
もちろん、配当金狙いで儲けている投資家も確かにいる。
こういう配当狙いタイプの投資家は、権利落ち日で株価が下がっても良いように、様々な工夫をして損しないようにしている。
たとえば前回の権利落ち日以降の底値の時に株を買いつけて、既に大きな含み益を持って、何度も利益を確定しているとか。
あるいは株価が一時的に下がっても、すぐに回復するような銘柄を狙っているとか。
権利落ち日で一時的に株価が下がっても、それをすぐに上回れる銘柄であれば、配当金狙いで買っても損にはならない。
たとえばマザーズやジャスダックの銘柄から、東証一部に昇格・市場変更しそうな銘柄だとか、一部銘柄でも日経225不採用の銘柄で、これから採用されそうな銘柄だとか。
あるいは将来性が見込めて、権利落ちで株価が下がっても、単なる押し目で終わってしまう成長株。
逆に言うと、近い将来に、株価を押し上げる要因がないのに、配当金狙いしてはいけないってわけだね。