買う人がいなければ、株価は上がらない
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株価が上がりやすい月と、下がりやすい月というのがある。
これは株が買われやすい月と、売られやすい月があるからだ。
株価が上がるか下がるかは結局、「買いたい人が多いかどうか」で決まるので、買いが増えれば当然のことながら株価は上がる。
逆に買いたい人が減ってくると、当然ながら株価は下がってくる。
たとえば日経平均株価を占うなら、一日の出来高・売買代金をみれば良い。
東証一部の活況の目安は、売買代金2兆円以上と言うことだが、2兆円を大きく超えているときは、騰がっても下がっても株価は安定する。
しかし2兆円を大きく割れてしまうと、「売られすぎ」の指標が出ていても、買い方不足で株価は下がってしまう。
テクニカル分析などの指標で、売られすぎのシグナルが出ていても、売買高が減ったら全く参考にならないのだ。
一例を挙げると、ボリンジャーバンドという指標がある。
イチシグマ、ニシグマなどと言うヤツだ。
これは株価の移動平均線から、確率的に上下の値幅を計算したものだ。
プラス1シグマから、マイナス1シグマの範囲に、株価が収まる確率が68%くらい。
プラス2シグマからマイナス2シグマの範囲で株価が収まる確率が95%くらい。
なので株価が2シグマの外に出ると、「買われすぎ」とか「売られすぎ」だと言われて、反対売買が起こりやすいと考えられる。
ところが株価がマイナス2シグマに近づいた時、「売られすぎ」という状態だと判断して、買えば儲かるかというと、たいてい失敗する。
というのも安値になったからといって、買いたい人が急に増えるわけではないからだ。
買いたい人がいても、株価が少し戻ったら売りたい人が、後から後からわんさか湧いて出てくるし。
海外の投資家は、イナゴ投資家と似たようなモノ
株価が大きく下がっても、売られすぎだからそのうち上がるなどと考えられるのは、ほんのごく一部の銘柄だけだ。
売られすぎだから買われる銘柄は、ソニーとかトヨタとか、日本を代表するような企業だけで、しかも地合いが悪いせいで、売られすぎているときだけだ。
企業そのものに問題があって、株価が大きく下がっている場合は、テクニカル分析で売られすぎが出ても、株価が上がり出すのは数ヶ月先だ。
だいたい株価が下がっているのは、買いたい人が減っているからであって、「売られすぎだから、そろそろ上がるハズ」は、そう簡単には通用しないのだ。
それがハッキリ出るのが新興市場株で、好材料が出た時だけ株価が上がり、その後は株価が元の位置まで下がる。
ヒドいときは、ニュースが出た瞬間だけ、火柱のように株価が急騰するが、5分後にはもう、ダラダラと株価が下がっていく。
こういう「騰がっている株をとにかく買う」人々を、イナゴ投資家なんて呼ぶが、彼らは値上がり率ランキングで、急騰している銘柄を見つけたら、イナゴのように集まってくる。
そして株価がピークを過ぎて下がり始めたら、またイナゴのように飛び去っていく。
イナゴがたくさん集まれば集まるほど、株価は急騰して次の日も大きく騰がるが、この「お祭り」は1日から数日で終わるのがほとんどだ。
余程強い好材料が出ないと、新興株は騰がり続けない。
期間の長さは違うにしても、同じようなことが日本株全体にも言える。
つまり外国の投資家が集まって来るときには、日本の株は騰がって行くし、逆に外国の投資家が他へ去ると、日本の株は下がってしまうわけだ。
株が上がるかどうかは、だから、買いたい人が増えるか減るかで、考えれば良いってわけだね。