センチメントと地合い、何が違う?
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センチメントとは、感情とか心理と言った意味だ。
株式相場でセンチメントという場合は、市場参加者全体の気分や気持ちことを言う。
「市場センチメント」と言う風に、丁寧に言う人もいるね。
センチメントというのは、地合いに似た言葉だけれど、意味合いは少し違う。
というのも、地合いというのは、あくまでも様々な要素が重なり合った結果であって、市場参加者の気分だけでは決まらない。
たとえば機関投資家や投資ファンドが利益出しのために株を売れば、株価は下がる。
機関投資家や投資ファンドは、年に数回、利益分配を行うために、株の売買ポジションを整理する。
これは別に感情とか心理とは関係なく行われることで、言わば恒例行事の一つだ。
機関投資家や投資ファンドが株を売り始めたら、株価は下がっていくが、これは暴落ではない。
大口投資家の売りが出る時期が来たため下落トレンドになっているだけで、どこかで底を打って反転することが期待出来る。
そのため、こういう下落トレンドで市場センチメントで悪化しない。
機関投資家の益出しが終われば、また買ってくることは分かっていることだし。
センチメントと地合い、似たような言葉だが何が違うのか。
地合いという場合、特に心理とは関係ない場合にも使われる。
オリンピックやサッカーのワールドカップ開催中は、トレードよりスポーツ観戦する人が増えるため、売買が減る。
こういう場合は地合いは良くないが、市場センチメントは別に悪くはない。
市場センチメントの悪化という場合は、「もうダメだ」と思って投げる人が増えたり、「買う気が起こらない」と思って、売買に参加しない人が増えることを言う。
建玉の含み損が積み上がり、保証金維持率が下がって追証を求められて、しぶしぶ投げる。
そうして株を投げた人は傷んでいて、株式市場から遠ざかってしまう。
たとえ戻ってきたとしても、投資資金を何割も減らしているため、買う力も減っている。
というわけで、買い手の力が減っているため、売買が閑散化してしまうわけだ。
市場参加者のセンチメントが悪化していると、当然ながら売買は活発化しないし、地合いも良くはない。
そのため、株価は下がりがちで、日柄調整が必要になる。
だから、市場センチメントと言う場合は、地合いの善し悪しを言う時の原因要素の一つであって、地合いそのものではない。
地合いが悪いから市場センチメントも悪くなり、市場センチメントが悪いから地合いも良くならない、と言う風な関係になる。