掉尾の一振(とうびのいっしん)とサンタクロースラリー
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掉尾の一振(とうびのいっしん)とは、年末、最後の最後に、株価が上がるというアノマリーのことだ。
掉尾(ちょうび/とうび)というのは、尻尾を振ると言う意味で、最後に勢いを増すという事らしい。
ということで、掉尾の一振とは、年末相場の一番終わりに株価が上がるという意味で使われる。
ただし、株価が上がるのは、年末だけでなく、年始も上がりやすくて、欧米では「クリスマスラリー」とか「サンタクロースラリー」なんていう呼び方をしている。
欧米ではクリスマスを挟んだ一週間が年末の休暇シーズンになっていて、そのあとにサンタクロースラリーが始まるということだ。
つまり年末年始の10日くらいの期間が、サンタクロースラリーってことだね。
で、問題は、掉尾の一振とかサンタクロースラリーで、なぜ株価が上がるかと言うことだ。
これは簡単に言うと、11月後半から12月半ばまでに利益確定のために株を売った内外の機関投資家やヘッジファンドが、改めて株を買い始めるからだと言われている。
株が騰がる月、株が下がる月
機関投資家やヘッジファンドは、預かった膨大な資金を運用して利益を得ないといけないため、どこかのタイミングで株を買っていかないといけない。
機関投資家は、高値の株を買うと利回りが悪くなるため、株価が安い時期に少しずつ買いに入る。
株が安くなる時期は年に3回くらいあって、3月と8月と12月ということになる。
3月は日本国内の大企業の多くが年度末にしているため、決算や節税対策のために株を売る。
赤字になりそうであれば、持ってる株を売って穴埋めするし、儲かっておれば、含み損の株を損切りして節税する。
これが2月から3月末くらいまで続き、株価が下がることが多い。
また7月から8月下旬までは、欧米の個人投資家が夏休みに入るため、ポジションをギリギリまで減らす。
欧米の一般的なファンドの場合、6月と12月を締め日として利益配分するため、株が売られて現金化されやすくなる。
株の買い手が減るので株価は上がらず、株価は下がりやすくなってしまう。
同じ事は11月から12月中旬までにも言えるので、株価は低迷しやすい。
そして株価が上がるのは、そのあとになる。
つまり4月、9月、1月というのが、株価が上がりやすい月だ。