欧米の学校は、5月6月が学年末。
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米国の株の格言に「セル・イン・メイ」(Sell in May)と言うのがある。
これは5月に株を売って、9月に戻ってこいという格言で、5月は株価のピークで、9月が株価の底になりやすいというアノマリーから来たモノらしい。
アノマリーとは、根拠はハッキリしないが、経験的に起こりやすいという格言だが、このアノマリーは恐らく、欧米の「年度感覚」にある。
というのも欧米の学校は、8月中旬から9月がスタートで、5月や6月が学年末になるのだ。
つまり6月7月8月は、学校が休みの時期で、お金持ちはこの時期にバカンスに出かけたり、子供はサマースクールなど別の勉強をしたりする。
個人投資家達も余程のことがない限り、あまり積極的な投資行動に出ないため、それで市場参加者が減って、株価がジワジワ下がっていくらしい。
これは日本でも似たようなことがあって、7月下旬から8月末くらいまでは、東証の売買高が1兆円前後まで減り、株価はダラダラ下がっていくことが多い。
8月のお盆休みのために、ポジション調整が7月下旬から行われ、新興市場などは売買代金が急減する。
2015年は日経平均が2万円に達したこともあって、8月も売買代金が2兆円くらいあったけれど、これは金融のグローバル化によって、海外の投資家が売買していたからだろう。
ほとんど国内の投資家が売買している新興市場では、7月後半から、明らかに売買代金が大きく減っていたし。
実際、2015年も8月後半からは売買高が減って、さらに上海市場の暴落や、アメリカの景気減退懸念で株価は暴落し、そこからなかなか反転しなかった。
夏枯れが一ヶ月遅れで来た感じだったね。
大統領選挙の前年は、セル・イン・ジュライ?
欧米では学校が9月始まりで、5月が学年末になって夏休みになる。
そのため家族持ちの大口投資家は、6月から8月にかけてバカンスに出かけたり、子供をサマースクールに行かせたりする。
お金持ちの投資家がバカンスに出かけ、投資に積極的ではなくなると、市場参加者が大きく減るから、株価は下がる。
夏が近づくにつれて買い手が減れば、売り手も安値で売るしかないので、株価がジワジワ下がり始めるわけだ。
実際アメリカのS&P500(500社平均)の月次パフォーマンス統計(1950年以降)では、5月・6月・8月・9月はマイナスになっている。
そして株価が上がるのは、11月12月1月となっている。
ところがなぜか、大統領選挙の前年には、このセル・イン・メイの下落パターンが、2ヶ月か3ヶ月ほど後ろにずれることが多い。
過去数十年の統計では、5月のピークの後にも、7月から9月に株価のピークが来て、そこから年末まで株価が低迷する。
つまり大統領選挙前年は、セル・イン・ジュライだってことだ。
なぜこういうことが起こるのかは、アノマリーだからよく分からない。
恐らく、大統領選挙の前年には、様々な大統領候補が現れ、口々にいろんなことを言い始めるため、期待出来そうなジャンルが増えるんだろう。
それでいろんな銘柄に買いが入って、ピークが5月から7月とか9月に、ずれると考えたらわかりやすいかも