プロトレーダーは、カラ売りで儲ける
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プロのトレーダーは、売りから入る。
というのも株価が上がるのはゆっくりだが、株価が下がるのはあっと言う間だからだ。
これは割合で考えても分かる。
500円の株が1,000円になるには、株価が2倍にならなければいけないから、最短でも1週間くらいはかかる。
逆に1,000円の株が500円になるには、株価が50%下がれば良いだけだから、最短3日で半値になる。
株価の上昇の場合は、株価が上がるにつれて売りも増えるので、どこかでまた大きく下落したり、横ばいになってさらに時間がかかる。
個人的な印象では、バイオ系の新興株でも、株価が2倍になるには2週間くらいはかかる。
株価が5割上がったら売りとか、2倍になったら半分売るとか、そういうルールで売買するトレーダーも多いからね。
一方、株価が急落する場合、株価が下がれば下がるほど買いが増えるかというと、そんなことは起こらない。
それどころか売って換金しようとする人が増えて、さらに売りが増える場合の方が多い。
信用買いで追証を求められて、渋々売る人だってたくさんいるはずだ。
なのであっと言う間に、株価は半値になる。
こんなわかりやすい相場はないから、プロは下落の兆候が出始めたら、カラ売りチャンスだと思って売りで入るわけだ。
実際とあるプロトレーダーの話によると、売りと買いの利益は、2:1くらいになるらしい。
つまり株式投資のプロの稼ぎの3分の2は、カラ売りで儲けているって事らしい。
下落トレンド中の上昇は信じるな
株価が大きく上がった後の急落は、下落トレンド入りのリスクが高い。
そのためプロはそこでカラ売りを入れる。
というのも株価下落で買いポジションの利益が減るので、それを補うためだ。
これを「ヘッジのカラ売り」と呼ぶが、下落トレンドが確認されたら、買いポジションを利益確定/損切りして、さらに売り建てを増やす(売り乗せ)。
そのため、一旦下がりはじめた株価が、元の株価まで戻るのは、そう簡単なことではない。
いくら将来性がある(と思った)株でも、大口投資家やプロのトレーダーが売り始めたら、個人投資家で買い支えることは難しいのだ。
時には、個人投資家の買いが、大口やプロの売りを吸収して、株価が跳ね上がるなんてこともあるが、そういうことは年に数回あるくらいだろう。
プロトレーダーとアマチュア投資家の大きな違いは、プロは下落局面を得意としていると言うことで、彼らが下だと考えているのを覆すのは難しい。
それに高値での売買が多ければ多いほど、高値づかみしている投資家が多いため、少し株価が回復しても、すぐに売りが出てしまう。
下落トレンド中にヨコばったり、反発したりすることもあるが、三割戻しとか半値戻しがせいぜいで、また重力に引っ張られて株価が下がる。
いわゆるヤレヤレ売りというやつだが、株価が多少回復しても、株を手放したい人が大行列しているため、元値には戻らないわけだ。
そのため上値がとにかく重くなり、株価の回復には少なくとも何週間もかかる。
下落トレンド中の上昇は、信じるな、と言うのが、プロトレーダーの合い言葉らしい。
ドーンと下がったら、ちょっと戻してさらにドーンと下がる。
これの繰り返しで株価が下がっていく。
長い大陰線が出て、しばらくヨコヨコになっても、それは「下げの一服」になっているだけのことも多い。
急落後の株価が回復するには、しばらく保ち合いの状態・ボックストレンドが続いた後で、上値抵抗線を高値ブレイクしてからで、しかもゆっくりゆっくり上がるものだ。