ナンピン買い下がりをすると、損がみるみる膨らむ
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株で大損するケースには色々ある。
カラ売りで入る場合は、急騰による踏み上げで大損する。
しかし買いで入る場合は、ナンピン買い下がりで大損する。
株を買って大損する場合は、株価が大きく下がるケースしかないが、ナンピン買い下がりをすると目も当てられない。
たとえば一銘柄あたり、30万円とか50万円という風に、建てる建玉のサイズを決めて、自己ルールを守っていれば、損も想定の範囲内で済む。
30万~50万なら、1割下がっても3万~5万の損で済む。
2割下がっても6万~12万の損だ。
ところがナンピン買い下がりをして、想定外に株数や建玉が増えると、損も想定外の大きさになってしまう。
たとえば30万~50万の予定が、100万とか200万になると、1割下がると10~20万円の損。
2割下がると20~40万円の損。
ナンピン買いをせずに損切りすれば、5万未満の損で済んだところが、うっかりナンピン買いで株数を増やして、20万以上の損になったりするわけだ。
全面安なら、なにを買っていても、全部下がるから仕方がないのだが、下落トレンドの株で株数を増やして、雪だるま式に含み損が膨らんだら自業自得だ。
騰がり初めを買い、下がり初めを売る
株で儲けるには、騰がり初めを買い、下がり初めを売るしかない。
ナンピン買い下がりで損をするのは、この基本的な売買ルールとは、真逆のタイミングで売買してしまうからだ。
つまり売るべきタイミングで買い、買うべきタイミングで売ってしまうのだ。
騰がり初めで買っておれば、下がってもさほどの損にはならない。
騰がり初めというのは、株価位置が低いので、下がってもたかが知れているわけだ。
ところがすでに高値の株が、まだまだ騰がると思い込んで、押し目狙いで下がり初めで買ってしまうと、値崩れしたときに大損になってしまう。
しかもナンピン買い下がりになると、株数も増えているので、傷口がどんどん拡がるわけだ。
では、騰がり初めがどこで、下がり初めがどこなのか。
これは人によっていろいろポイントがある。
たとえばある本には、5分足や日足チャートを見て
- 直近の高値を高値ブレイクしたら買い、
- 直近の安値を安値ブレイクしたら売る、
また別の本には、板情報(気配値)から、
- 買い板が厚くなれば買い、
- 買い板が薄くなれば売り、
これらは刻々と変化するので、変化を捉えて判断する方法なのだが、騰がり初めのポイントでしか買わないというルールを守るだけでも、かなり損は押さえられるはずだ。