ボーナス月は、株価が上がる?
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株価が上がる月と、株価が下がる月。
ボーナスが支給される時期は、株式市場も活況になると言う話が、たまに本などに載っている。
これってホントのことなのか?個人的には、どうも眉唾臭い。
というのも日本国民の多くが、ボーナスを株につぎ込むとは思えないからだ。
株式投資雑誌などでは、ボーナス時期が近づくにつれて、ボーナスで買うべき株の特集をしているが、ボーナスが出たからと言って、市場が急に賑わうかというと、そういう実感はない。
もちろん株価が上がるときと言うのは、株式市場に資金流入があったときだから、ボーナス後に売買高が増えるのかもしれない。
ただそれが、株価を大きく持ち上げるほどの大きなインパクトかどうかと考えると、これはさすがに怪しい。
というのも東証一部市場の時価総額は、約500兆円もあるからだ。
日本のボーナス総額を調べてみると、2015年の夏のボーナスは、約15兆円くらいだったらしい。
この1割が投資に回ったとすると、約1.5兆円ほどの売買資金が増えることになる。
投資といっても株の外にも、FXもあれば商品相場もある。
つまり1.5兆円全てが日経平均225銘柄に、投じられるワケではないので、わかりやすく1兆円くらいだと考えてみる。
つまり時価総額500兆円に対する1兆円だから、0.2%にしか過ぎないわけだ。
ボーナスで株価は上がるが、ほんのちょっとだけ。
アベノミクス相場が始まってから1年半で、外国人投資家が日本株に投じた金は、約15兆円くらいだと言われている。
日本株が大幅上昇するときには、外国からの投資資金が流入しているのだが、この15兆円の資金流入が、日経平均株価を大きく押し上げた。
その結果、リーマンショックで塩漬けになっていた日本の投資家の投資資産が息を吹き返し、個人投資家の投資意欲も大きく改善した。
さらに日本の公的投資ファンドGPIFが、2014年後半に株式での運用比率を高め、日本株投資資金が10数兆円も増えたため、日経平均は1万5,000円台だったものが、2015年夏には、2万円台に達した。
大雑把に言うと、新たに10兆円ほど資金流入があると、日経平均は5,000円くらい騰がるって事だな。
となると、ボーナスで1兆円が日経225に投資されたら、日経平均は500円ほど上がるって計算になる。
率にすると2~3%だって事で、これではあまり期待出来ないのも道理か。
結局、ボーナス資金流入で株価が上がるのは、理論的には間違ってないが「小幅上昇」だってことだ。
ボーナスが出たら、株価が上がるというのは、証券会社のセールスマンの宣伝文句で、そんなに期待出来ることではないって事らしい。