新興市場IPOは、失速しやすい。
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IPO銘柄は、人気がなくなったらすぐに暴落する。
初値が公募価格の何倍になっても、買いがなくなったら一気にドーンと下がってしまう。
初値が公募価格前後の時は、下がっても2割くらいで済む。
しかし初値が公募価格を大きく上回って値が付くと、下がり方がもの凄いことになる。
しかも突然下がり出すし、どこまで下がるか分からないから怖い。
IPO銘柄の場合、初値が高く付いて、公募価格の何倍にもなることもよくある。
そこで公募で手に入れて、初値後の高値で売り抜けようとずっと狙っているトレーダーが多い。
そのため株価が上がっている間は売りが出ないが、株価が下がり出すと売りが殺到して、ナイアガラ状態になってしまう。
これはIPO銘柄でなくても、急騰銘柄によくあるパターンだ。
3日連続ストップ高だとか、5日連続大幅続伸で、株価も初動の2倍以上。
こういう急騰時は、売り板(売り注文累計)がだんだん減っていく状態になる。
ところがある日、突然買いが引っ込んで、巨大な売りが出て、大下落が始まる。
昨日まで、売り注文より買い注文が2倍以上も多かったのに、突然買いが減って売りの方が何倍も多くなる。
そしてあれよあれよという間に、ストップ安まで売り込まれ、翌日も大幅下落になる。
ただし好材料で急騰した銘柄の場合、株価水準の訂正のための動きだから、初動の株価より何割か高いところで、下げ止まる事が多い。
最低でも初動株価の2割から4割くらい上がる。
一方、新規上場のIPO銘柄の場合は、どこまで株価が下がるか分からない。
というのもまだ株主やウォッチャーが少なく、どこが底値なのか、誰も分からないからだ。
IPO銘柄、買いがなくなったらすぐに投げろ
かんぽ保険株やゆうちょ銀行株のような、大型IPO銘柄の場合は、機関投資家が売買しているため、上場後も売買は活発化する。
TOPIXや日経225のような、インデックスに組み込まれると、裁定取引(サヤ取り)で儲けるために、現物株も盛んに売買される。
そのため、新規上場後に、株価が下落してもさほどは下がらない。
というのも裁定取引のために、一定の買い需要があるからだ。
因みに裁定取引というのは、インデクス取引(先物売買)と、現物株取引を組み合わせたモノで、証券会社やヘッジファンドなどの機関投資家が行う巨額取引だ。
たとえば日経225平均先物が上がると、先物を売って、225の主力銘柄を買えば、その差額が儲かることになる。
逆に日経225平均先物が下がれば、高い225現物株を売って先物を買えば、その差額が儲かることになる。
日経225の外にも、TOPIXだとか、JPX日経400だとか、東証マザーズCore指数とか、様々なインデクス取引があって、同様の裁定取引が行われる。
こういうインデクスに組み込まれる予定があるIPO銘柄の場合は、上場後も売買高は極端に減らない。
逆に言うと、新興市場のIPOのように、インデクスに入らない銘柄の場合は、裁定買いが期待出来ないため、下がりだしたらどこまでも下がってしまう。
この当たりが大型IPOと新興IPOの大きな違いだ。
IPO銘柄の大暴落5分足チャートの例(上場2日目・3日目)
公募株価1,260円、初値株価4,000円、直近最高値4,250円 3日後の終値2,779円
つまり公募で手に入れた人は株価2倍だが、初値で手に入れた人は、既に3割のマイナスだ。
これでは新しく買いに入るのは難しいから、上場後に買って保持している人は、どこまで株価が下がるか生きた心地がしないだろう。
私も買い注文累計が極端に少なくなったので、下落の途中で投げて10万円以上の損切りをした。
その後も大きく下がったので、大出血はさけられたが、上場直後のIPO銘柄は怖いね。
下がりだしたらさっさと投げて逃げないとダメだ。